昨日、世紀の二枚目スター、フランスの俳優アラン・ドロンが亡くなりました。享年88歳。男性の私から見ても惚れ惚れするような美男子でしたね。
私は高校の頃まで洋画というものに興味がありませんでした。どうも、あの台詞の吹替という不自然さに馴染めなかったようです。
転機は大学下宿時代。
ある日、テレビ朝日系の「日曜洋画劇場」のサヨナラ、サヨナラ、サヨナラおじさん「淀川長治」の名解説に感化され、ついつい観るはめになった映画が、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』でした。
前の下宿人が置いていったオンボロTVで観たわけですが、何しろ室内用アンテナですから、鮮明な画像は期待できません。TV本体を揺すったり叩いたりしながら、何とか見終わりました。
淀川さん流に言うと、
「いゃーホントに面白かったですね~、アラン・ドロン最高でしたね~」
といったところです。今でいうクチコミなら ★★★★★5 間違いなし。
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下宿屋から電車1駅分ほど歩いた所に、リバイバル映画だけを上映している映画館がありました。洋画3本立てで500円(1970年代)だったと思います。
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リバイバル映画:
一度公開した映画を、ある期間を経てから、再び上映すること。
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下宿屋に居ても、エアコンなんか文明の利器はありませんので、冬はド寒く夏はド暑いわけです、当たり前ですが…。
洋画に目覚めてからは、その映画館に2年くらい足しげく通いつめました。洋画1本が2時間程度ですから6時間は映画館に居れるわけです。冷暖房完備ですから快適そのものです。
その映画館で月に10本くらい観ていましたから1年で120本、2年間ですので240本。それにTVの「日曜洋画劇場」も観ていましたから、大学時代に観た洋画は300本にはなります。
就職してからは仕事に追われて映画鑑賞どころではありませんでしたが、5年ほど経ったころ、たまたま赴任地で『太陽がいっぱい』のリバイバル映画を観る機会がありました。
やはりオンボロTVとは迫力が違いました。燦々(さんさん)と眩しく輝く太陽を背にしてのラストシーン。 ★★★★★5 でしたね。
監督はルネ・クレマンですが、ニーノ・ロータの音楽が秀逸で映像を引き立てていました。
↓アラン・ドロンのエピソード↓