山口県阿武町が、住民税非課税世帯への給付金4630万円を1世帯に誤送金した案件。
このニュースを聞いて、私にも同じようなことがあったのを思い出しました。といっても逆パターンのケースですが。
脱サラして、フリーランスとなった30年ほど前のことです。
複数の資格業で開業しましたので、事務所新設に伴う経費の支払いに加え、様々な団体への加入費用、研修セミナーや専門書籍等やらの支払いで、開業月の振り込み伝票類が20件ほどありました。
あちこちの金融機関をハシゴして、それらの支払い処理を1日で処理しました。30~40万円の出費だったと思います。
誤支払いに気づいたのは、パソコンで月末の記帳処理をしている時でした。
振込伝票(控)の中に、知らない個人(A氏)の郵便振替(領収書)が1枚ありました。えっ?おかしいなぁ~と一瞬思いましたが、すぐにその原因が判明しました。郵便振替伝票が誤送付されていたのです。
誤送付された伝票とは知らず(確認せず)、他の伝票とあわせて支払っていたわけです。確かバイクか車の納税額で、2~3万円だったと思います。
そのA氏の氏名は、私の氏名と類似するところは全くなく、住所も同じ区内ではあるものの、車で15分ほど離れた町名のところでした。
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氏名も住所も間違えるような要素は全くなく、一体どうゆう郵便配達をしてるんだぁ!
窓口に出した振替伝票の中に、他人名義のものが混入していたら、そう言ってくれればよいものを!
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と一人ボヤキしつつ、
管轄郵便局に誤配達や誤支払いの顛末(てんまつ)を説明し、郵便局からA氏に誤支払いの件、連絡してもらえることになりました。
ヤレヤレこれで一件落着と思いきや、耳を疑うような返答がかえってきました。
郵便局から間接的に聞いたわけですが、A氏曰く「それは私が払いました」とのこと。
支払い領収書の原本は私の手元にあるにもかかわらず。
今なら合法的な返金手段をとりますが、当時は何んやかんやと慌ただしくしておりましたので、そんな時間もなく、それ以上関わることはしませんでした。結果、他人の納税額を肩代わりしたわけです。
山口県阿武町の誤送金で「自分のお金でないこと認めた上で」あえて返金しない男性に比べて、
「払ってもいないものを払った」と言うA氏の方がよっぽど悪党だ。
と私なんかは思うわけです。
汗水涙水流し労働の対価として得たお金も、そうでないお金も、札束としての外形が同じであれば、同価値なんですかねぇ。
視力は老眼気味ではありますが、お陰様で、私には「他人の札束はただの紙切れにしか見えない」ので、そういった意味合いでは、私の視力は正常だと思っているところです。