🌴懐かしき富山村立小中学校(愛知県)

🌴ボヤキ徒然日記

昨日のテレビ東京系「ナゼそこ?日本人」の特番で、

『愛知・静岡・長野の3県境』の秘境生活、、、云々

という内容の番組をやっていました。

それを見て40年ほど前、まさしくその『愛知・静岡・長野の3県境』で仕事をしたことを、懐かしく思い出しました。

そこは愛知県の富山村(とみやまむら)という所です。平成17年に、隣村の豊根村に吸収合併され、現在は豊根村富山となってしまいましたが。

長野県境まで車で15分、静岡県境まで車で5分の、まさしく3県境に位置する村です。

合併前の富山村は人口200人程度で、日本の「離島以外の市町村の中で最も人口が少ない村」で、『陸の孤島』とも呼ばれていた所です。

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40年前、その富山村にも義務教育の学校はありましたが、何しろ人口が少ないので、生徒は小中あわせても10数人だったと思います。

よって、学校は「富山村立小中学校」の一校ということになります。小中あわせた生徒数より先生のほうが多かったと思います。

吸収合併後は「豊根村立富山小中学校」と名称が変更されました。

その小中学校の校舎の真ん前に、小さな運動場はあるわけですが、屋内運動場などはないので、雨の日は運動が出来ないわけです。

そこで、雨の日でも運動が出来るようにと、富山村教育委員会の依頼(入札)で、運動場に屋根を架けることになったわけです。

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本体の骨組みは鉄骨造、壁は野球ボールが当たっても割れないように強化ガラス仕様、屋根は晴天時には開き、雨天時には閉じるようにスライド式屋根という設計です。総工費は約1億円だったと思います。

私はその現場の施工管理者(いわゆる現場監督)として、泊まり込み出張赴任したわけです。

小中学校は高台にあり、周りは山林と茶畑と土葬墓地。よって、工事車両は現場に直接入ることはできず、クレーンやレッカー等の近代設備は一切使用できません。

山林の所有者から、丈夫そうな杉の大木を何本か借用し、それにワイヤー(索道)を設置して、鉄骨など工事用資材の運搬、残土処分などをするわけです。

鉄骨の組み立ては、クレーンが使用できないので、ウインチ(捲揚機)による手作業という、前近代的な施工方法で大変な工事でした。

全天候型の開閉式屋根の屋外運動場を建造したわけで、今でこそドーム球場というものがありますが、当時としては画期的な工法だったなぁと自負しております。

何しろ、東京ドームが完成する7年前の工事でしたので。

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気になったので、現在の状況をちょっと調べてみました。建物は現存しているようでしたが、小中学校は平成27年3月末をもって閉校したようです。

合併後の豊根村のホームページにその記事がありました。「閉校式」の様子の写真も掲載されていましたが、そこはまさしく、40年前に竣工した全天候型屋外運動場でした。

クリーム色に見える骨組みが鉄骨で、白っぽく見えるのが強化ガラスです。写真上部に見える格子状のものがスライド式屋根です。

しっかりメンテナンスが行き届いているようで、40年前の状況そのままです。本当に懐かしいです。

Google Mapでも建物が確認できましたので。また一度訪ねてみようと思っています。

-豊根村ホームページより-
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「富山小中学校閉校式」のご案内
明治6年の開校以来、142年の歴史を数える富山小中学校も、平成27年3月末をもって閉校することになりました。

これまで、多くの富山地区民が学んできた学校が閉校することは誠に寂しいことです。これまで、富山小中学校を支えて下さった皆様に心より、感謝申し上げます。

つきましては、下記のとおり閉校式を行います。来賓の皆様、現旧保護者の皆様、現旧区民の皆様、卒業生の皆様、旧職員の皆様、ご多用のこととは存じますが、是非、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

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「富山小中学校閉校式」の写真